寝具と睡眠に関する科学的研究
掛布団の吸湿性や保温の問題については他の大学の教授らによる研究もあります。
外国でもベッドや枕に関する研究はさまざまな角度から行われる傾向にあって、そうしたデーターもこれからの日本の寝具には役立つ面も少なくないのです。
寝具と眠りに関する科学的研究は、研究そのものは地道なものであっても、その成果は直接われわれの生活にいろいろの形で影響をおよぼし、快適な寝生活のために貢献してきました。
また今後も良い結果となって現れてくることは間違いないでしょう。
直接的な寝具の研究から、寝生活をつつむ住空間とのかかわりの中で、より総合的な人間科学として研究の道が広がっていくことをわたしは期待しています。
また、その方向が見えているといっていいように思われます。
さて次は、健康寝具と高級寝具についての話です。
眠りや寝具に関する科学的アプローチは、まず健康寝具という形で業界に影響しました。
ある教授の人間工学を応用したベッド、教授の生理学にもとづく枕・・・
こうしたものが、安眠のためというスローガンで商品化されたのは常識ですよね。
昭和50年頃に続々登場してきた健康寝具は、単なる安眠とか快眠にとどまらず、「寝ているうちに健康になる」ことをスローガンとするものでした。
例えば磁気によって東洋医学のツボを寝ているうちに刺激し、これによって血行をよくする効果をねらったマグネット・マット式のもの・・・。
あるいは電気的なマイナス・イオン発生器をベッドにセットして、寝ているうちに酸性体質を改善して弱アルカリ性の健康体質に変えるというもの。
高齢化の時代をねらって老人用に開発された長寿ベッドの類・・・。
睡眠というものを、昼間の労働による疲れをいやす働きという考えから、むしろ健康増進のための条件をととのえる明日への準備時間として売りこみをやるのです。